2012年9月24日月曜日

フィリピンのデモの話。


こんにちは。みなさんいかがお過ごしでしょうか。

私は帰国まであと一週間とは思えないほど帰国準備もしてなければ課題も終わっていません。本当に帰れるんだろうか。

 

それはそうと、今日は私が去年の12月になんとなく参加した、フィリピンのデモの話です。

最近の反日デモのニュースを見て連想したので。

(決して課題からの現実逃避とかそういうわけではありません、決して。)

といっても反日デモについてはよくわからないので今回は書きません。あくまで私のフィリピンでの体験談を書きます。

 

 

去年の126日、私はマニラのMendiolaという通りで行われたデモに参加しました。

参加したとはいっても、正直私このときデモの主旨をあんまりわかっていませんでした。

じゃあなんで参加したのかって?なんとなくですなんとなく。

この日の前日に知り合ったAnakbayanという学生団体の人が「明日デモやるから参加してみる?」と誘ってきたので、「デモとか参加したことないしオモロそう!」ということで参加しました。つまりノリです。

 

後日知ったところによると、この週は「国際人権週間(International human rights week)」にあたるらしく、毎年この時期にデモが行われているそうです。参加者はAnakbayanだけではなく色々な団体が入っていて、教育制度とか大地主制、対外政策などについての主張をしています。特定のある問題についてというよりはもっと政府の全体的な政策についてのデモらしいです。

 

 

それにしても、学生団体の人ってもっとお堅いのかと思ってたんですが、いきなりやってきた日本人に対してもすごくオープンでした。というか陽気でした。フィリピン人の気質なんでしょうか。

移動のジープでギター弾き始めるし(さすがにこのジープは貸し切ってます)

もうなんなんですかね、このあいだブログに書いた実習の時も弾いてたし、ギターがないと死ぬんじゃないでしょうか彼ら。

私はそんなフィリピン人が大好きです。

 

 

そんなこんなでMendiolaに着きました。色々と準備があるのか、なかなか始まりません。でもそこはフィリピンタイム、サリサリストア(道端にある売店みたいなもの)で買ったおやつをみんなで食べながらまったりと待ちます。

 

そしていよいよ道路に並び、周りが行進し出すのを待ちます。

その時、隣にいたAnakbayanのメンバーの女の子が私に向かって一言。

 

「大丈夫、あなたのことは私が守るわ」

 

!?

 

え、守られないとヤバイ感じなんですかこれ;;?

もうこの時点で嫌な予感がしますね(笑)

 

そんな予感を抱きつつ、まあ来てしまったものはしょうがないと思っているうちにデモスタート。

 

まずは普通に行進。旗を振ったりプラカードを掲げたりしつつ、声を張り上げて歩きます。行進の様子は動画に撮ったのでよろしければご覧ください。↓



この時同じフレーズを繰り返し大声で言っていたのですが、この時の私のタガログ語力ではほとんどわからなかったためとりあえずノリで合わせました。

断片的に聞こえたのによると、どうも政府はもっと教育に予算を回せとか、アメリカの帝国主義を倒せ!ということを言っていたようです。(この帝国主義というのは多分経済的・文化的な意味です。)

あ、でも「アメリカの帝国主義を倒せ!」とはいってもアメリカの国旗を焼いたりはしてませんよ?Anakbayanの子たちと話した時も、アメリカ人自体を嫌っているわけじゃないし、外国人を追い出してフィリピンを閉鎖的な国にしたいわけでもないと言っていました。

そもそも、デモ隊はいたって平和的です。ただ叫びながら行進するだけで、物投げたりもしないしもちろん略奪なんてしません。しいて迷惑なところといえばうるさいことでしょうが、やっているのは昼間だし、フィリピン人はもとからうるさ…声が大きいのであんまり気にしなさそうです。

 

 

そう、デモ隊は平和でした。デモ隊は。

 

 

2,30分くらい歩いたでしょうか。そんな平和な行進がある場所で止まりました。

あれ、もう終わり?このあとどうするんだろう、などと考えながら前の方を見ます。

 

すると、なにやらどよめいてる、と思ったら

 

 

前の人たちが一気に倒れてきた。

 

 

痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い痛い!!!!左足折れるって!!

そう叫べども日本語は通じず、というか通じたとしてもみんな身動き取れないのでなすすべもなく押しつぶされます。

なぜか前から水が流れてきてジーパンがぐしょぐしょでしたが、足が痛すぎてそれどころではありません。

 

いやーこの時は本気で圧死するか、少なくとも骨は折れたと思いましたね^^;

 

結局少ししたら前の人たちが起き上がりだして、無事抜け出すことができました。その後普通に立ったり歩いたりできましたが、数日間左足首の違和感が消えませんでした。怖い怖い。

 

どうも、警官隊が放水車で水を噴射したらしいです。それに押された前線の人たちが倒れてきて押しつぶされたと。最前線じゃなくて若干後ろの方だったのが逆にあだになったようです。

 

これでかなり心が折れかけましたが、その後いろんな人がマイクを持って演説をし始めたので1時間ほど聞いてから帰りました。(これもタガログなのでほとんどわかりませんでしたが。)

帰る途中、押しつぶされたときの映像を撮らなかったことを死ぬほど後悔しましたが、そのときはとりあえずカメラが壊れないようにするのに必死だった覚えがあります。それにしても一番おいしいところだっただろうに…。

 

ちなみに、なんと一番激しかったのはこの日ではなくその翌日だったらしい。(その日行かなくてよかった…)。警官隊ともっと派手に衝突して、UPの学生の何人かは逮捕されたそうです。

 

 

それに比べて、日本のデモはかなり平和みたいですね。デモ隊が平和なのはもちろんとして、警官隊と衝突して負傷者が出たとか聞きませんし。

日本ではデモをやる権利は憲法で保障されているそうで、ちゃんと行政の許可をとっていれば妨害されるいわれはないらしい。へー。

そもそも、日本でデモってあまり聞かない気がします。去年の就活デモの参加者は100人ちょいらしいですが結構話題になりましたよね。それに対してこのMendiolaのデモはざっと300人以上参加しているうえにそれが普通、というか毎年やってる。学生が参加することも普通らしく、確か高校生の一団もいました。国柄の違いでしょうか。

 

なんとなく日本の話にもっていったところで、もう字数もかなりきてるので終了。ここまで読んでいただきありがとうございました。

 

最後にまとめ

・デモ隊は暴徒とは違います。平和です。

・フィリピン人にギターは欠かせません

・フィリピンのデモに参加するときは負傷する覚悟を。(デモによってはもっと警官隊も平和なのかもしれませんが…)

・「あなたは私が守る」という約束は守られるとは限りません。というか、ただの死亡フラグです。

・日本のデモで負傷することはまずないと思われるので、日本で参加する予定の方はご安心ください。

 

ではでは:

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