2021年3月17日水曜日

ブラッドフォード留学記②【ロックダウンで引きこもり生活】

皆さまご無沙汰しております、いかがお過ごしでしょうか。前回投稿から1年以上空いてしまいましたが生きてます。

去年の秋にイギリスから日本に帰国して、今は前と同じNGOの東京事務所で働いています。そして今年4月からケニア駐在として現地に行けることになりました!!(やった~~!)

前からアフリカ駐在になりたいと思っていて、去年授業でガンビアに行ってから余計にその気持ちが強くなっていたので嬉しい限り。

それで、イギリス留学のことはケニアに行く前に書いてしまおうということで今回久しぶりにブログを更新したというわけです(帰国直後に書けって感じですが何せ筆が遅いので……)。

〈帰国直前に行った湖水地方の写真〉

さて、今回は前回書いた留学記の続きということで去年の今頃、20203月以降の話になるわけですが、この時期にはもうコロナウイルスがヨーロッパまで拡大していました。なので317(ちょうど1年前!)から大学の対面授業は全て休止になってしまいました。

イギリスは全土が一時的にロックダウンになったため、ブラッドフォードでもショッピングモールは長期間クローズ、市場やスーパーはもともと短い営業時間がさらに短縮されました。外出すると法的に罰則がつく(例外は有り)ので日本よりも厳しい措置といえますが、それでも日本より感染が拡大してしまったのはよく知られている通りです。その原因が何かは分からないですが、向こうで暮らしていたときの印象としてマスクを着けている人が少ない、というのはあります。多分これまでマスクを付ける習慣が全く無かったのだろうなと。

とはいえ、逆に日本で「感染症対策のために皆サングラスつけてください」と言ってもあまり広まらなそうなので、習慣が無い国でマスク着用がなかなか浸透しないのはある程度仕方ない気もしますね。そう考えると日本にマスクを付ける文化が元々あったのはラッキーなのかもしれません。

〈ロックダウン中のキャンパスの写真。良い天気なのに誰も歩いていない〉

そんなわけで引きこもり生活を余儀なくされたわけですが、私は生まれつきインドア派なので正直ほとんど問題はありませんでした。修論の時期になったらそもそもコロナ関係なく皆引きこもらざるを得ないので、それが少し早まっただけという感覚です。

ただ、それでちゃんと研究に集中していればいいのですが、何を思ったのか麻雀牌を買ったりポーカーのルールを覚えたりとけっこう気ままに過ごしてましたね……(ギャンブルばっかやないか、と言われそうですがお金は賭けてないです)。我ながら自堕落大学生のテンプレ過ぎないか??

そんな感じの生活をしていたので当然修論はギリギリまで追い込まれてピンチだったのですが、何とか〆切前に出して無事卒業することが出来ました(出来てなかったら洒落にならない)。ちなみにテーマは「緊急人道支援の調整システムについて」で、以前このブログに書いたことを深掘りしたような感じです。バングラデシュのロヒンギャ難民支援を事例に選んだので自分が現地にいた時から知っていたことも多かったのですが、やっぱり文献調査を通じて体系立てて理解することで初めて見えてくるものもあるな、と感じました。クラスターシステムがまだまだ発展途上なこととか、調整システムの評価にも色々な軸があることとか、それにしてもIOMUNHCR仲悪いな、とか。

結構面白いテーマだと思うので、関心のある方はぜひ調べてみてください。

〈ロンドンのタワー・ブリッジ〉

そうして9月の上旬に修論を提出して、しばらくイギリス国内を観光してから帰ってきました。引きこもり生活のせいでこれ以上書けることが無いので、今後イギリスに留学する人が知っておくと役立つかなと思うことを二つほど紹介します。

NHSについて

イギリスの国民健康保険制度のことを略してNHSといい、これは6か月以上のビザを持っていれば外国人でも加入できます。加入は任意ですが入っておいた方が良いと思います。そして何より、最初にかかりつけ医(GP)を登録しておくことが肝心です。何故かというと、いざ実際に体調が悪くなったときにGPを登録しようとしてもすぐには新規登録させてもらえない可能性があるからです。

特に私がNHSを利用したのは去年の今頃で、よりによってコロナが拡大し始めたタイミングで喘息になってしまったのでした。一応喘息の既往歴がある自覚はありましたが、過去に症状が出たのは10年近く前の一度きりだったのに何故今!?という。幸いそこまで激しい症状ではなかったですが、コロナなのではとフラットメイトがかなり気にしていて申し訳ないなあと。なのであまり放置するわけにもいかず、かといってこの状況で何の予約もなしに病院に行くのも良くないだろうとまずNHSに電話しました。そこでGPのことを聞かれたのですが、大学入学手続きの時に合わせて登録していたことを私は愚かにもすっかり忘れており、登録していないと答えてしまいました。するとオペレータから「この病院で新規登録するように」と案内されたのですが、その病院に電話してみるとなんと新規登録は1か月待ち!コロナのせいで完全にパンクしているようでした。これはマズイとなって、そもそもGPとは何かなど色々調べたところ入学時に登録していたことが判明して事なきを得たのですが、これが本当に登録していなかったらと思うとゾッとします。

ちなみに、NHSの手続き自体はスムーズでした。電話越しの問診で診断が下されて医師から薬局に連絡が行くため、病院へ行かずに直接薬局へ行って薬を受け取ることができました。ここには日本とイギリスの考え方の違いがある気がします。日本では少しでも体調に違和感があればすぐ医者へという風潮(少なくともコロナ前までは)があるのに対して、ちゃんと調べたわけではないですが恐らくイギリスではなるべく受診者数を減らそうとしているのだと思います。なので問診も対面ではなく電話越しで完結したのではないかと。医師にしっかり診てもらいたい!という人には不満かもしれませんが、私は体調の悪いときはできる限り誰にも会いたくないタイプなので、かなり自分に合っている制度だと感じました。英語で問診に答えなければいけないのが大変ではありますが、それでも体調が悪いなか外出して医師と面談するよりはマシです。

②銀行口座について 

私はSMBCプレスティアの外貨口座を使ったのですが、これがけっこう便利でした。先にポンドを一年で使いそうな金額分買っておくことで為替リスクを減らすことができます(*)。デビットカードを使って口座内のお金を現地のATMから直接引き出すことができ、オンライン決済にも使えます。

なのでこの口座さえあれば現地でほとんど生活に困らなかったのですが、一回だけイギリスの銀行口座からでないとできない支払いがありました。最後の1か月だけ住んだ寮が現金やデビットカードの支払いを受け付けておらず、結局その時は友人に立て替えてもらったのですが、こうしたケースもあるので時間に余裕があるなら現地の銀行口座も開いた方が無難だと思います。また、プレスティアの口座はある程度お金を入れておかないと口座管理手数料を取られるので注意が必要です。

(*)リスクを減らすというのは「振れ幅を減らす」という意味なので、損をしないという意味ではないです。ポンドを買った後に円高ポンド安になったら損になります。(元証券マンっぽい説明)

〈ヨーク城。ヨークはブラッドフォードから1時間程度で行けます〉

最後に、ブラッドフォード留学の特徴をまとめておきます。

・本当に色々な国の留学生と交流できます。これについては多分ブラッドフォードの平和学部がイギリス国内でも随一ではないかと思います。もちろん年によって多少変わりますしある程度国や地域の偏りはありますが、国際色に満ちた環境が好きな方にはかなりおススメできます。

・平和・紛争・開発コースはかなり実務家向けで、留学生の大半が実務家志望あるいは実務経験者になります。上述の通り国籍のバリエーションが豊富なので、授業中に色々な国の事例をもとに議論ができて学びが深まります。

・とにかく気候と食事が厳しいので覚悟した方が良いです(笑……えない本当に)。夏は晩秋~冬よりもマシですが、それはそれで日が長すぎてしんどいですね。朝4時から夜10時頃まで日が出ているので、、。

・ブラッドフォードでいわゆる「イギリスっぽさ」を感じることはまずありません(断言)。なので、イギリスを体感するには観光をおススメします。ロンドン、湖水地方、ヨークなど帰国直前に色々行きましたがどこもすごく良かったのでぜひ。

 

大体こんなところでしょうか。次はケニアのことを書けたら良いなと思いますが、予定は未定です。それではまた。


0 件のコメント:

コメントを投稿