2020年2月4日火曜日

ブラッドフォード留学記①【イギリスというよりパキスタン?】(後編)


(こちらは「ブラッドフォード留学記①」の後編になります。もし前編をまだ読まれていない方は先にそちらをお読みいただくことをおススメします。)

街や周囲の人々については概ねこんな状況です。色々な国の人々に囲まれてそこそこ楽しく日々を過ごしているわけですが、逆に大変だったことは何か?と聞かれたらダントツで気候と答えます。それくらいヤバいです。
「気候が厳しい」と聞くと多分暑さ寒さが厳しいというのを想像すると思うのですが、イギリスの場合は晴れの日がとにかく少ないことが大きな問題です。もうとにかく毎日曇り、曇り、曇り。しかもブラッドフォードの街並みはほとんど同じ黄土色の壁の建物で構成されているため、視覚的な憂鬱さを増幅します。
9月に来た当初は、空港に着いた日が晴れていたこともあって「なんだ霧の国とかいって全然晴れてるじゃ~ん」などと余裕ぶっこいていたのですが、10月後半から文字通り雲行きが怪しくなり、11月は月末以外ずっっっと曇ってましたね。加えて日照時間自体もどんどん短くなっていくのでかなり精神的にキます。

(曇天。ツイッター等には晴れの写真しか上げてませんでしたが実際はこんな天気の方が多いです。)

12月になるとまた晴れの日が増え始めて、冬至を越えてからは精神的にも多少は楽になりました。なのでとにかく11月が一番しんどかったですね。私は特に青空が見えないとすぐ気が滅入るタイプなんですが、周りの同級生たちもけっこうこの時期調子を崩していたように思います。とにかく日光を浴びたい一心で課題明けの冬休み後半にスペイン南部へ旅行に行ったりもしました(スペイン最高)。皆様がもしイギリスに旅行されるときは冬季ではなく夏季をおススメします。特に11月は絶対やめた方がいいです。青空がなくても気にしない方であれば別ですが。
なお、気温は思ったほど寒くなく、東京と同じかむしろ暖かいように感じます。ただ風はすごく強いです。

 (曇天のリーズ。リーズはブラッドフォードの隣の街です。)

イギリス留学で大変なこととしてまず気候を挙げましたが、おそらく多くの人は真っ先に別のことを思い浮かべるのではないでしょうか。
そう、食事ですね。メシマズ大国として有名なイギリスですが、実際どうかというと……まあ、想像通りといったところでしょうか。。。「必然的に自炊が上手くなる」というメリットがあります。食材は新鮮なものが近場で色々手に入りますし、働いていた時よりも時間があるのでなるべく自炊をするようにしています。ラム肉のトマト煮込み美味しい。
といっても、全ての外食が不味いわけではなく美味しいところもちゃんとあります。私のおススメはインドカレー、中華、タイ料理ですね。
……え、全部外国の料理じゃないかって?フィッシュ&チップスはどうなのかって?
何回か食べましたが、そんなに不味くはなかったです。けどすごく美味しいかと言われると、という感じです。そもそも魚のフライとポテトってそんなに美味くも不味くもならなくない?と思うわけですが、聞いたところによるとものすご~く不味いフィッシュ&チップスが近場で手に入るらしいです。私は怖くてまだ手を出してないんですが、気が向いたら一回くらい記念に食べてみるかもしれません。
というかですね、多分探せばもっとあるんですよ美味しいお店。街の中心部で色々巡ってみるとか隣町のリーズまで出るとか。でもそこまでする気力がわかない。。。あと冷凍食品やチルド食品はわりと充実してるので時間ない日はそういうので済ませたりしてますね。

(※上記はすべて私個人の狭い見識に基づく見解であって、全てのイギリス料理を否定しているわけではないことをご理解いただければと思います。そしてブラッドフォードで美味しいお店を知っている人はぜひ教えてください切実に)

 (おすすめのカレー屋のカレー。ここは本当に美味しい。)

ここまで主に生活面の話をしてきましたが、肝心の学業の方はどうかといいますと、授業かなり面白いです。ブラッドフォードの平和学部は世界的に有名らしいのですが、さもありなん。とはいえ、授業毎に内容やカラーが違うので人によって合う合わないが分かれそうだなという感じはします。
私のイチオシの授業はDr Simon Whitby (https://www.bradford.ac.uk/staff/swhitby)の安全保障論です。国際関係論の理論をしっかりやりたい人はぜひとも取るべきだと思います。また、エッセイの書き方を授業中に詳しく教えてもらえる&ドラフトの添削も細かく見てもらえるというメリットもあります。選択授業で履修したんですが本当に選んで良かったなと。ただ、本当に理論をがっつりという感じで生徒側への要求水準も高めですし、先生ご自身がバリバリの学者肌タイプなのでそういう授業が好きな人向けですね。 
実務寄りでいうと、Prof. Owen Greene (https://www.bradford.ac.uk/staff/ojgreene)は国際機関と協働の研究実績が豊富で、講義中に出てくる事例の量が半端ないです。一体今まで何ヵ国行ってるのか……。大ベテランの教授ですが気さくな方なので質問もしやすいです。前期は安全保障と開発、今期は天然資源の授業(両方必修)を担当されています。色々な国の事例が聞きたい、それらを踏まえた議論がしたい、という人におすすめです。

気になる課題の量ですが、イギリスに来る前に私は「皆寝る間も惜しんで課題をやっていて、そのせいで過労死も出てる」というような話を聞いて内心ビビっていたのですが、少なくとも課題のせいで毎日寝不足ということはないです。普通に平均7~8時間寝ていたと思いますし、週末もわりとのんびりしていました(むしろのんびりし過ぎたかも)。
学期中に提出物が課されることは少ししかなく、日々の課題は指定文献の事前の読み込みが主になります。それもある授業とない授業があるので何を取るかによりますが、毎週毎週課題に追われて他に何も手につかないということにはならないんじゃないかと思います。履修授業以外に聴講を入れまくったりしたら別ですが。
成績評価の対象は学期末に課されるエッセイが大半(授業によっては100)を占めるのですが、こちらは私のエンジンがかかるのが遅かったせいで前期は修羅場となりました。もともと追い込まれないと筆が乗らないタイプではあるのですが、それにしても酷かった……。ただそれでも一応終わったので、多分もっと前から普通に進めていれば普通に終わる量なんじゃないかと思います(なお、終わったというのは規定語数が埋まって提出できたという意味で、無事単位が取れたかは現時点でまだ分かっていません……)。分量は3,0004,000語(日本語換算で10,000字くらい?)×3本(3つの授業で各1本)です。
また、それとは別に学期中にグループプレゼンがある授業もあります。これは評価割合が低いわりに準備に時間がかかり、また誰と組むかによってハードルの高さがかなり変わってくるので、メンバーを上手く見極めるのが最重要になります。私のチームは他のメンバーが優秀で特段大きな問題はなかったですが、他チームは色々苦労したという話を聞くので注意が必要です。

ここまで徒然と書いてきましたが、最後にこの5か月間の総括を少しだけ。
前期の自分を振り返ると、そんなに悪くはなかったですがもう少し色々なことをこなせたら良かったかなという気がしています。特に今後のキャリアについて。休職して来てるので即路頭に迷うというのがないのは有難いことですが、中長期的にどういう方針でいくのかがあまり定まってないのはちょっとマズいなあという感じです。前期せっかく聴講をせずにコマ数を絞ったのにその分の時間何をしていたのかと。 
(まあ何をしていたかというと実は明白で、ひたっっすら動画サイトでゲーム実況を見てたんですが……。)
とはいえ充電期間も大事ですし過ぎたことを悔やんでも仕方ないので、「この年になって平日昼間からあんなにグダグダできたのはむしろ優雅な時間の使い方では?」と思うことにしました。我ながらポジティブ!
 なんにせよ今期は聴講を入れてスペイン語も取ったので、後半戦気合を入れていきたいと思います。キャリアの情報収集も並行していかないとですね。あと直近では、もうすぐ西アフリカのガンビアでの研修旅行があるのでこれはかなり楽しみです(私にとっては初のアフリカです)。できればその内容もブログに書きたいんですが、残念ながら写真のアップNGなんですよね……。セキュリティ上仕方ないことではありますが。なのでそちらはあまり期待せずにいていただければという感じですね。それではまた。

(夕方の大学構内で撮影。12月頃は16時の時点でけっこう暗いです)

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