2014年12月7日日曜日

【マラウィで】先生、教えるの上手すぎます【理科の授業】


こんにちは。みなさんいかがお過ごしでしょうか。
私はこのあいだ風邪を引きました。しかもそれで会社を早退するという異例の事態に。
大体11月に「吹雪」ってどういうことなの…。
それでも体感温度はむしろ10月の方が寒くて、「私もそろそろ北海道に馴染んできたな(ドヤァ」とか思ってたらこのザマですよ。人はそれをフラグと言う。
みなさま体調管理にはお気を付け下さい。

さて、今回は10月28日に参加した、青年海外協力隊トークイベントについてです。
これは「北海道大学サステナビリティ・ウィーク2014」というイベントのうちの一つで、JICA青年海外協力隊としてマラウィ共和国に行かれていた方のお話を聞こうというものです。
サステナビリティ・ウィークについては詳細こちら→http://sustain.oia.hokudai.ac.jp/sw/jp/
というか、北大はこのサステナビリティ・ウィークを毎年開催してるみたいですね。そしたら札幌って国際協力に関してだいぶ恵まれてるのかも…このあいだ「東京に比べて地域格差がうんぬん」とか生意気言ってすみませんでしたorz 札幌舐めてたわ。

で、マラウィですが。

「どこだよ!」って人が多いと思うので地図載せておきます(私もこの日話聞くまであんまりわかってなかったです)




 「アフリカ大陸南東部に位置する共和制国家で、イギリス連邦加盟国である。(中略)アフリカ大地溝帯に位置する内陸国であり、マラウイ湖の西岸にある南北に細長い国。(中略)国土はほとんど高原上にあり、マラウイ湖が大きな面積を占める。」 (Wikipediaより)
ちなみに言語はチェワ語と英語で主食はトウモロコシ、アフリカの中では人口密度が高い方らしいです。九州+北海道くらいの面積に東京と同じくらいの人口が住んでいるとのこと。こういわれると何となくわかった気になりますね。






  

ここに2年間派遣されていたのが新 江梨佳さん。明るくてとても素敵な女性です。しかも美人。
現地では理科の先生として、セカンダリースクール(中高生)の子どもたちに授業をしていたそうです。


トークイベントの様子


この日は彼女が現場でどんなことをやってきたか、どんなことを意識しながら活動してきたかというのをスライドを交えて語ってくださったのですが、その内容に入る前に一つ言いたい。

プレゼン上手すぎる。

この日私は仕事終わってからの参加だったので内心「寝落ちしたらヤバイな…」とか思ってたんですがそんな心配はいらなかった。
マラウィのことも教育のこともあまり知らない人が最後まで興味をもって聞き続けられるように、とても色々な工夫がされていました。
きっと子供たち相手の授業もかなり面白いに違いない。

マラウィでの活動風景。右側の女性が新さん


もちろん2年も先生として働いてこられた方なので、テクニックが自然に身についた部分はあると思います。慣れとか。
でもそれ以上に、なんていうか「伝える」ことに対する本気度が違う。





そりゃ子どもたちも真剣になりますね。

私も人前で発表をすることはけっこうあって今もこのブログを書いたりしてますが、正直ここまで「伝えよう」という気持ちがあったかと言われると疑問です。
何かを発信するからにはやっぱり伝わってなんぼなので、もっとそこを意識してかないといけないですね。今回のはかなり刺激になりました。

などなど前置きが長くなりましたが、次に新さんが現地でされていた活動について。大きく分けて3つあるそうです。

1つはマラウィ人の先生のサポートで、「こんな授業ができたら」と思いつつこれまでできなかったことを実現する手伝いになります。
そういうと何かモノを援助するようなイメージがありますが、実際のところマラウィの学校にはモノが全く無いわけではないので、近くの学校と実験器具などを貸し借りする仕組みを作ったとのこと。

2つめは、生徒主体の学び場をつくること。教えるのではなく自分で行動する場の提供というのがミソです。マラウィの人にとって科学は「モノづくり」なため、子どもたちは自分で色々なものを作り上げます。

例えば、ポテチの袋の裏のアルミを張り付けてソーラー加熱器を作ったり。



すごい子になるとガラクタを寄せ集めて風力発電機を作りあげるレベル。



発電量は小さくても、そもそも村には全く電気が通ってないのでとても画期的です。

3つめは、子供たちに多様な経験と好奇心のきっかけを与えること。
理科はそもそも実験があるので好奇心を刺激しやすいですが、それをさらに演劇の形で見せることで子供の興味をさらに惹きつけます。



これは新さんだけでなくPICO factoryという団体が主催しているのですが、英語が苦手な子でも楽しめるようにパントマイムと現地語の解説を組み合わせるなど趣向が凝らされています。ちなみに今日本でも活動されています。
PICO factoryについてはこちら→http://www.picofactory.jp/ 実験ショーの動画もこちらにアップされてます。)

こうした活動をするなかで、現地の人の力を引き出すことを、そして先につながることを、という意識は一貫していたそうです。マラウィの先生・生徒が自分でできるように現地にあるものを使うというのもその一つです。
ご本人は「自分のアプローチが正しかったのかは今でもわからない」と言っていましたが、私が聞いた限りとても意義のある活動をされたんじゃないかと感じました。



さて、この話を聞いたあと、逆に日本の教育はどうなのかと考えてみました。

ぶっちゃけ今の日本の教育ってほんとに意味あるのか?って話です。

まず、普段学校の授業を聞いてて面白い!ワクワク!って感じてる子はそう多くないんじゃないかと。もちろんいないことはないでしょうけど、問題はそういう子が「マラウィよりも多いかどうか」です。もし大して違わないなら、日本の教育はマラウィよりも「進んでる」と言えるのか?

しかも、学校で習うことは生活にすぐに役立つわけでもないですよね。中学とか高校になると特に。
私は文系のくせに古文が一番苦手だったので、ラ行変格活用ってなんやねん!!となった思い出があります。逆に数学嫌いの人は「トランプの並べ替え方が何通りになろうが知ったこっちゃない」し「三角関数ってなんなんだよ」って思うんじゃないでしょうか。
正直中高で習うほとんどの内容が生活と直接関係ない気が……。

今回紹介されていたマラウィでの教育活動は、少なくとも「面白さ」と「役立ち」という2つの意味で、日本で行われている多くの授業よりも勝ってそうにみえます。



こんなこと言うと「面白いとか生活に役立つとか関係なくて、日本の学校ではマラウィよりも難しいことを教えてるんだからこっちの教育の方が優れてるに決まってんじゃん」とか言われそうですね。
確かに、日本人の方がきっと難しいことを習っているはずで、高度な知識という意味では日本の方が進んでいるかもしれません。
じゃあなんで私達はそんな難しい(しかも大抵つまらない)ことを覚えなくてはいけないのか?
多分そう聞くと、大多数の人は「将来良い職業に就くため」と答えるんだと思います。要するに勉強して良い大学に行けばその分就活に有利ってことです。
ただそうすると、学歴だけが大事なんだったら極端な話授業の中身はなんだっていいわけで、ということは入試にさえ出なければ私は将来使いもしない古文単語を覚える必要はなかったことになります。
結局「なんで入試問題は無駄に難しいことを聞いてくるのか?」って話に戻ってきてしまいます。

ここで、「『良い職業』は人それぞれ違うから、子供たちが好きな仕事につけるように色々な選択肢を与えないといけない」という考え方がでてきます。そのために色々な分野のことを教えないといけないってことですね。
これはけっこう理にかなってるように見えますけど、今度はどこまで教えたら「十分」なのかって問題がでてきます

「子どもたちが好きな仕事に就けるように」といったって、全部の職業に触れさせるのは土台無理な話で。例えば、歌舞伎役者になるためにはまずそれに触れる経験を与えないとってことで、学校行事で歌舞伎を観に行くことはできます。でも同じことをバレエも、乗馬も、F1レースもというふうに全ての職業についてやってたら日が暮れるどころかそれだけで学校生活全部終わります。信じられないくらいお金かかるし。
なら、学校という場所でどこまでのことをやったら十分だと太鼓判がもらえるんですかね。

しかも逆に、今学校で習っていることは職業として応用するにするには全然足りない。どう役立つかもわからず、卒業したら忘れ去られるだけというのが大半では。少なくとも私が覚えたラ行変格活用の知識はテスト以外に活かされることもないまま消え失せてしまいました。あの時間を返せ!と言いたくもなります(むしろそれは古文の先生のセリフかもしれませんが)。



それと、そもそも将来の選択肢って多ければ多いほどいいんでしょうか?

これは国によって答えが違ってきそうです。マラウィでは、教育を受けた後に描けるビジョンが日本と全然違うそうです。例えば、生徒に「将来の夢は?」と聞くと「医者になりたい!」みたいな答えが返ってくるけれど、実際はどうやったら医者になれるのか誰も知らなくて、ただなんとなく「良い職業」というイメージで言っていることがほとんどとのこと。どうやったら実現できるかを調べる方法もなく、そもそも国内にその職がなかったりもします。このケースなら確かに子供たちの将来の選択肢は今よりも多い方が良いと言えそうです。

でも日本では逆に、情報はあふれているけどその中から自分で選ぶのが難しい。むしろ選択肢が増えるほどそのうちの一つに絞るための手間や時間はふくれあがるし、迷いも生まれます。フィリピン人は就活で510社しか受けないらしいですが日本人は数十社受けるのがザラです。(フィリピン人の就活事情の記事参照)。手間をかけたぶん仕事への満足度が上がってれば良いですが、そうでもなさそうというのが日本で就活を経験した方の実感ではないでしょうか。

結局選択肢がいくらあったって、自分のやりたいことがわからなかったら選びようがないのでは。



なんだかいつになく長々と語ってしまいました。もっとコンパクトにまとめる能力がほしい…。
要するに何が言いたいかっていうと日本の教育もまだまだ改善の余地あるしマラウィと日本がお互いから学んでいけたらいいよねっていうありきたりな結論に落ち着くわけですが。
意見・質問・反論などお待ちしてます。

そういえば途中で気づいたんですが、就活の記事書いたのって去年のクリスマスだからもう1年近く経つんですね。
今年もリア充への意趣返しに暗い内容を投稿しようかと思ったんですが、やっぱりどう考えても自分が一番ダメージくらうので難しいところです。
時間とネタがあったら何か書くかもしれません。

ではでは。


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