2019年1月19日土曜日

サラリーマン時代の話【証券営業→法務】


こんにちは、皆様いかがお過ごしでしょうか。ここ最近東京はやたら寒かったですね。インドネシアが恋しい。

私はというと、前回投稿した後このブログの存在が速攻で職場の人にバレました()
せっかく書いたしということでフェイスブックとツイッターにも載せたんですけど、職場の何人かとフェイスブックの友人であることを完全に忘れていたという……。ちゃんとSNSを管理してないとこうなる、という良い例ですね。皆さん気をつけましょう。
まあ別にバレたからどうということもないので(若干の気まずさはありますが)とりあえずこのまま続けようと思います。

さて気を取り直して、今回はサラリーマン時代の話をします。今も給与をもらっているという意味ではサラリーマンですが、営利企業にいた時のことです。そのころのどんな経験が今のNGOの仕事に生かされているのか?について書いていきます。

    証券リテール営業@札幌

大学を卒業したあと某証券会社に入社し、数か月の研修を経て札幌支店で営業をすることになりました。
これが私の人生初の北海道だったわけですが、もう尋常じゃなく寒い。どれくらい寒いかというと、吹雪の日に外回りに行ったら遭難しかけたレベルです。吹雪って本当に目の前見えなくなるんだなということを学びました。

(冬の札幌の写真。この日は吹雪いてはなかったですが、4~5か月は雪が積もったままです)

さて、屋外は雪が吹きすさんでいたわけですが、支店の中はというと怒号が飛び交っていました。「3時までにあと〇〇万!」「〇課収益全然足りてねえぞどうすんだ!!」みたいな感じです。ノルマは基本的に日割りなため、これが毎日続くことになります。
ただ、十年ほど前までは四季報(*)が飛んだり灰皿が飛んだりしていたという話も聞くので、そのころに比べればましになっているようです。若手は定時上がりが基本でしたし(逆に言えば、「働く時間が短い=楽な仕事」ではない、というのを嫌というほど思い知りました)。
(*)四季報:四半期に一度出版される、色々な企業の概要が書いてある本。辞書並みに分厚い。

そもそも何故証券会社に入ったかというと「根性をつけるため」と「自分と縁のなさそうな世界を一度経験するため」だったのですが、その思惑は見事に達成されました。見事にというか想像以上にというか……何にせよ有意義な体験だったことは間違いないです。

ここで、証券の営業とは何をする仕事なのかについて簡単に説明します。
証券営業には「リテール」と「ホールセール」がありますが、私がやっていたのは「リテール営業」の方でした。株や債券、投資信託といった金融商品を主に個人の顧客に対して販売するのが仕事です。普段会えないような人物に会いに行けるといった楽しい側面もありますが、ハードな部分も多いです。
特に入社一年目は新規開拓が主な仕事なので、一日何十件もの飛び込み営業やテレコールが課せられます。名刺すら受け取ってもらえず締め出されたりするとそれなりに堪えますね。あとは、契約が取れたと思ったのに注文を出す前にキャンセルされて落ち込んだり、お勧めした銘柄が下がって焦ったりというのはけっこう日常茶飯事です。

……なんだか気づいたら苦労話ばっかり書いてますね()。まあでも、そんなハードな職場だからこそ身についたこともあります。
なかでも大きいのは、やっぱり結果を出すことに対するこだわりをもつようになったことです。営業は良くも悪くも常に結果が求められるので、どうやったらより良い結果が出せるか?と戦略的に考えてそれを実行できるようになったのは前職での大きな学びの一つです。
今の仕事は結果が単純に数値で出るようなものではないですが、それでも結果にこだわる姿勢は大切にしていこうと思っています。

ちなみに、「営業ならコミュ力ついたんじゃないの?」とたまに言われるんですが、これに関しては正直微妙でした。自分でもそれを狙っていたわけですが、実を言うとプライベートでのコミュ力はさっぱり上がらず……。なので今でも人と話すのは苦手なままですね。
ただ、苦手なままでも仕事はそれなりにこなせる、苦手分野でもある程度はやっていけるという自信はつきました。トップセールスにはなれなかったですが平均以上の成績は出せたので、我ながら人と話すの苦手なわりには頑張ったな、という感じです。

総じて、人間的にかなり鍛えられた2年間でした。

    法務部@東京

どうにか営業を無事終えたのち、20164月に東京へ異動になりました。ここから、20177月に今の職場へ転職するまでの13か月を法務部で過ごしました。

営業での学びが主に精神面だったのに対して、法務部での経験は技術的に直接今の仕事に活きています。
というのも、NGOの仕事はけっこうデスクワークが多いんです。助成金で事業を実施していると特に。
その点法務部の仕事はザ・デスクワークだったので、かなり今の仕事に近い部分があります。しかも超細かいところまで神経を使いつつけっこうな量の書類を捌かなければならないので、そういう作業に必然的に慣れることができました。
契約書や株主総会の招集通知といった会社としての体裁がかかっている書類を扱うので、内容にミスがないかはもちろんのこと書類の見栄えも細かくチェックされます。もう重箱の隅をつつきまわすレベルです。
これだけ書くとただ細かくてストレスの溜まる仕事という感じですが、この時期はわりと楽しかった記憶があります。もともとデスクワークが向いていたのかもしれません。

このとき学んだなかで、今の仕事に具体的に活きているものを以下に箇条書きします。

ü  資料作成能力
ü  文章力
ü  タイムマネジメント
ü  調整力

他にも言いだせばキリがないですがひとまずこれくらいで。
これらはいわゆるビジネスマンに必要なスキルとして挙げられることが多いですが、NGOでも同じように求められます。というか、営利企業でもNGOでもベースとして求められるスキルは大差ないのかな、というのが私の最近の考えです(もちろん仕事内容が全く違うので、あくまで「ベースとしてのスキル」ではありますが)。

上記4つのうち、特に資料作成については法務部に入る前と今とで雲泥の差があるなと実感しています。もちろん大学時代にも授業などで資料を作る機会はありましたが、そのときとの違いは「複数人で作業をする」という点です。
完成までに複数の(ものによっては数十人の)人間が関わるため、ただ資料をつくるのではなく他人がチェックしやすい資料をつくる&揃えるというのを上司や先輩から叩き込まれました。
このチェックしやすいというのが中々大変で、例えば数字が入る資料は元となるデータやそこからの計算方法も込みで上司や先輩にダブルチェックしてもらうのですが、初めの頃はただ資料を完成させるということしか頭になく、そういった根拠書類の揃え方がかなりテキトーでした。そうするとチェックする方はたまったものじゃないので、上司からしつこく注意された覚えがあります。根拠書類は最終的に表に出るものではないのであまり凝りすぎても非効率ですが、最低限整えることはチェックする人に対する礼儀だと思えるようになりました。

そうして、営業に続いて法務部でも色々と学ばせていただいたあと、縁あって現在働いているNGOへ移ることとなりました。
国際協力をやりたいと思いつつあえて新卒で証券会社に入ったことについて、無駄に遠回りしてるんじゃないかと考えることもありましたが、振り返ってみるととても貴重な経験だったなと思います。自分の中に一つ芯ができたような、うまく言えないですがそんな気がしています。

もちろんだからといって、みんな証券会社で修行すべき!というわけではありません。国際協力関係者がみんな証券出身とか普通に可笑しすぎますからね()。ただ、キャリアを考えるときの一つの参考になればとても嬉しいです。


次回は今いるNGOで普段どんなことをしているのかについて書こうかなと思います。それではまた。

(ドゥルガプジャというバングラデシュのお祭り。去年10月に撮影。)

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